2016年7月24日日曜日

2016年上半期おもしろ映画宣伝ベスト10

こんにちは。ビニールタッキーです。

2016年も半年が過ぎてしまいました。ネット上では映画ファンの方々が今年の上半期ベスト10を挙げて盛り上がっております。俺もそういうのやりたい!ということでやってみました2016年上半期おもしろ映画宣伝ベスト10!

「おもしろ映画宣伝」に関する説明については下記エントリを御覧ください。
この映画宣伝がすごい!2015(前編)
この映画宣伝がすごい!2015(中編)
この映画宣伝がすごい!2015(後編)

簡単に言うと海外映画に関する「お笑い芸人や芸能人を呼んでトークさせる映画公開記念イベント」「日本語吹替えタレントによるヒット祈願イベント」「アニメ作品やゆるキャラとのコラボ」等々の案件を指します。

以下に挙げる案件はどれも傑作と呼ぶべき素晴らしいおもしろ映画宣伝ばかりなのでベスト10と言いながら実際は順不同です。ただし1位は絶対コレ!と決まっております。では早速どうぞ!



第10位:『ブラック・スキャンダル』
タレントも観客も薄毛!『ブラック・スキャンダル』イベントは徹底的な薄毛推し




『ブラック・スキャンダル』といえばジェフブリッジスがアカデミー主演男優賞を受賞した『クレイジー・ハート』や傑作クライムアクション『ファーナス/訣別の朝』などで有名なスコットクーパー監督の重厚なサスペンス映画ですが、ここ日本ではジョニデのハゲ頭推しというおちゃらけたムードで宣伝される事態になりました。観客も薄毛の人を集めるという徹底ぶりですがどうも集まりが悪かったらしく客席はおサムい感じだったそうです。ハゲだけに。

しかしまさかスコットクーパー監督も自分の映画の宣伝でGLAYの替え歌が披露されるとは思ってもいなかったでしょう。




第9位:『クリムゾン・ピーク』
おかずクラブ、ホラー映画イベントで恋愛トークを展開! 『クリムゾン・ピーク』公開直前イベント


言わずと知れたギレルモ・デル・トロ監督のゴシック趣味全開のサスペンスホラー『クリムゾン・ピーク』も終始楽しいムードで宣伝されました。

映画のタイトルと絡めて「去年が"ピーク"だった」という話が出たり今年の抱負として「ワンピースの映画の吹き替えをやりたい」と発言して配給会社が違うのでそういう話はちょっと…と指摘されたりしていました。





しかし映画の内容と絡めて恋愛話が出るのはいいのですが成人式の時の写真まで披露されたときはびっくりしました。すごい。この映画ホラーだって知ってます?



第8位:『ジョン・ウィック』
ヒロミ、復活のきっかけは妻・松本伊代


なぜヒロミ…と思ったら主演のキアヌリーブスと同じ51歳だから、ということとヒット作に恵まれなかったキアヌ久しぶりの完全復活作!ということで芸能界に復帰したヒロミとかけているということです。こういうブッキングの意味を考えるのは脳トレみたいでいいと思います。いいと思いたいです。



マイクをガムテで止めただけの手作り感あふれるガンマイクもいいですね。
しかしどの記事を読んでも映画に関する発言は少しだけでほとんどは伊代ちゃんの話や芸能界復活の経緯、B21スペシャルの復活をほのめかす話ばかりでした。



第7位:『ヘイトフル・エイト』
品川庄司&矢口真里“6股騒動”の狩野英孝に言及「『ヘイトフル・エイコー』で良い」


もうブッキングの時点で出オチみたいなイベントですがダメ押しの「ヘイトフル・エイコー」発言で劇中のカートラッセルばりに血反吐を吐き出してしまいました。しかしイベントの中で出た庄司さんとミキティーファンたちとの和解話が思ったよりもすごくいい話でグッときました。

個人的には映画の雰囲気に合わせてテンガロンハットをかぶってきた矢口さんと庄司さんに対して自身の監督作品で『パルプ・フィクション』『レザボア・ドッグス』を引用するほどタランティーノファンを自称している品川さんがかぶっていない点にさすがだな、と強く感心しました。



第6位:『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』
米倉涼子、挨拶で役名をド忘れ! 『シビル・ウォー』でブラック・ウィドウ役を続投
米倉涼子、緊張!?『シビル・ウォー』役名忘れ苦笑い「すいません」
米倉涼子「このたび…、名前を忘れちゃった!」


前に書いたエントリ「宣伝が、宣伝を引き裂く―『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の受難」でも触れましたがご多忙の米倉涼子さんがご自分の役名を忘れてしまうのは仕方ないとして、それを面白がって記事タイトルにしてしまうマスコミには疑問を感じてしまいます。たぶん大多数の一般層はおもしろーいと笑えるのかもしれませんがシリーズファンはあんまり笑えないと思うんですよ。

しかし米倉さんはこの後にもロンドンプレミアに参加してスカヨハやクリスエヴァンスとまるで映画出演者のように交流したり「(レッドカーペットも)3度目になるので、だんだん慣れてきたかな」消えかけた火に油を注ぐような発言をしたりしてこちらがひやひやしてしまいます。

参考:海外進出もPRばかり?米倉涼子の”レッドカーペット”登場に失笑の嵐

というか米倉さんはマスコミに嫌われてるのか?と思うぐらいひどい言われよう…個人的にはブラックウィドウの吹き替えは悪くないと思っています。ただこれが例えば田中敦子とか榊原良子みたいなプロの声優さんだったらどうだったのかな…と思う時は確かにあります。



第5位:『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』
椎木里佳、コスプレをするなら「キャットウーマン」と即答!


椎木里佳さんをご存じない映画ファンの方に説明しますと女子高生社長の方です(ちなみにこのイベントの時点では高校卒業しているので正確には元・女子高生社長です)。しかし知らなくても安心してください、ご本人も「ぶっちゃけ、バットマンもスーパーマンも一作も観た事がない」と発言しておりますので情報量的にはフェアです。あとこの映画を見たあとならキャットウーマンではなくワンダーウーマンと言ってほしかったな、と個人的には思います。

しかしトークイベントの「女子高生社長の視点から切り込みます☆」という募集要項を見たときは一体どこにそういう需要があるんだと思ってしまいましたがイベントは盛り上がったようなので一安心です。もしかするとブルースウェインが青年実業家とかレックスルーサーが若手社長とかそういうことでかけているのかもしれません。脳トレです。
しかしこのイベントで最も重要なのは彼女の提案する宣伝方法です。

マーケティングサポートを行うAMFの代表取締役として活躍中だが、本作の宣伝プロデュースをするなら「まず、(芸人などを起用して)“3分でわかるスーパーマンとバットマン”みたいなパロディ動画を作ります。次にパロディ動画に出した芸人さんをアンバサダーにして、(DCヒーローたちのコスプレイヤーを集めて)“コスプレラン”を開催する。みんながコスプレして走ると、SNSで拡散されて認知度が上がる。リアルなものとSNSを組み合わせるのが効果的なんです」とプレゼン。 
アイデアは尽きないようで「ロゴがかわいいですよね。自分だったらペアルックを作ります。今、“双子コーデ”とかがはやっているので」と語った。
元“女子高生社長”椎木里佳、「バットマン vs スーパーマン」を宣伝するならこうする!

「貴様のような奴がいるから戦いは終わらないんだ!」とカミーユばりに叫んでしまいそうになりました。



第4位:『X-MEN:アポカリプス』
『X-MEN』史上最強の神に松平健!洋画吹き替え初挑戦


この宣伝については前回のエントリ「なぜだ!謎の大御所吹き替えブーム!」で取り上げました。記事の中でも書きましたが”X-MENを見ている間に八代将軍徳川吉宗の顔がちらつく現象はメチャクチャ面白いので楽しみ”という気持ちでいっぱいです。

記事を書いた後に公開されたアフレコイベントの様子を見るとさすが将軍様、堂々たる声演技でアッパレ!!という感じでますます楽しみになってきました。早く見たい!!




第3位:『アーロと少年』
ぺことりゅうちぇるラブラブをアピール! トイレの最中も連絡取り合う


二人がちょうど新成人ということで晴れ着姿で登場するところまでは理解できるのですが、作品のテーマ「勇気」にかけてりゅうちぇるが逆バンジーでくす玉割りに挑戦!はちょっと急展開すぎてよくわからなかったですね。





でもバラエティ的には最高の絵が撮れているのでオールオッケーだと思います。この写真本当に最高です。映画宣伝業界は「おもろい絵が撮れてナンボ」の世界らしいのでその観点から見れば大成功です。実際この『アーロと少年』もピクサー映画のわりに死とか暴力とかドラッグ描写があったりしてメチャクチャな作品なので合ってると思いました。

お時間がある方は動画もぜひご覧ください。りゅうちぇるの「どうしてこんなことやらなきゃならないの?」は僕も同感です。




第2位:『フィフス・ウェイブ』
ヒゲ面にセーラー服…ニセ女子高生の正体は




「謎の知的生命体が人間に擬態して潜伏している」というストーリーから目隠し当てゲームするというトンチキな企画もいいんですがこの宣伝のキモは藤田ニコルさんが映画を見ないままイベントに登壇したということです。

最後に映画の見どころを聞かれた藤田は「私、観てないんですよね。観たかったんですけど」とまさかの告白。一方のレディビアードは、アザーズが人間に擬態することでサスペンスが生まれていることを称賛したうえで、「ほんとすごいです! たぶんニコルさんすごく好きね!」と完璧なPR。 
その後、まだ鑑賞していない藤田をお仕置きするべく追い掛け回し、会場が笑いに包まれる中、二人はそのまま降壇した。

吉本新喜劇か!という素晴らしい幕切れ。この写真も躍動感があって本当にいい。

しかしいくらおバカが売りのタレントとはいえ映画を見ないままPRイベントに出るというのはどうなんでしょうか。もしかするとおバカキャラのイメージ戦略として事務所から見るな、と言われたのかもしれませんがクロエモレッツのファンと発言するならぜひ見てからにしてほしいと思いました。


一方のレディビアードはちゃんと鑑賞したうえで慣れない日本語でしっかりコメントして、さらに見ていないニコルさんのフォローもしていて好感が持てました。まあ映画を見てコメントするって公開記念イベントでは普通のことだと思うんですけどね…


さあ、というわけでやってきました2016年上半期おもしろ映画宣伝ベスト10。ここまでは順不同なのですが1位はこれでキマリです!どうぞ!




第1位:『ターザン:REBORN』
狩野英孝、“世界一美しい新ターザン”とイケメン対決!? まさかのデュエットも実現


全映画ファンがずっこけた、と言っても過言ではないこのイベント、ふたを開けてみれば狩野英孝からのすべり芸披露や「翼をください」をデュエットで歌うなどの無茶振りを全て受けたアレクサンダー・スカルスガルドの株が爆上げになった素晴らしいイベントでした。この写真も見事な対応っぷりです。

特にアレックスが退席した後の狩野さんのコメントが秀逸です。

コメント欄では「対応が神…」「カッコよすぎる!映画、絶対観に行きます!」と別れを惜しむ声が続出する中、アレクサンダーが退場すると、狩野さんは「いや~、すごかったな…」としみじみ。 
「ハリウッドスターなのに、企画も全部乗ってくれて本当に優しい! すごく良い方。彼のこと勘違いしてました。もっと気取って『ターザンやってますけど何か?』的な感じの方かと勝手に思ったんですが、全然違った。一緒に歌った時、目を合わせてくれたんですが、本当に瞳に包まれそうだった。僕が女性だったら間違いなく惚れてますね」と吐露。 
MCから「最初はイケメン対決だったのに」と追及されると、「いやもう今日からは彼の大ファンです!」と、すっかり“新ターザン”に魅了されていた。
めっちゃわかる…この神対応なら誰でも惚れるでしょうが!!もしお時間があればこのイベントの様子もご覧ください。51:00あたりから狩野英孝の瞳を見つめながらふわふわした日本語で「翼をください」を歌ってくれるアレックスが見れますよ…最高かよ…


このほかにもアレックスはLAプレミアを訪れた桐谷健太に「(今度来日した際には)銭湯めぐりを一緒にしよう」と桐谷健太の趣味をふまえたコメントをするなど本当この人…素敵…尊い…という気持ちになります。



アレクサンダー・スカルスガルドは「世界で最もハンサムな顔100人」の常連ということですが「ハンサム」っていうのはこういうことを言うんだぜ!



以上です。いかがだったでしょうか。

言っておきますがここで挙げた倍以上おもしろ映画宣伝は存在します。今年の年末を迎えるまでにはさらなるとんでもない宣伝が待ち受けていることでしょう。楽しみですね!…楽しみですかね……俺はいつまでこんなものを見続けなきゃならないんだ!!!




おもしろ映画宣伝はまた年末に成敗じゃ!

2016年7月5日火曜日

なぜだ!謎の大御所俳優吹替ブーム!

こんにちは。ビニールタッキーです。

今、時代は空前の大御所吹替ブームですね。


急に何を言ってるんだ?という方もいらっしゃるかと思いますが耳の早い人や流行に敏感な方は「ああ、あれネ」と頷いていることでしょう。

僕がこのブームに気付いたきっかけはこちらのニュースです。

『X-MEN』史上最強の神に松平健!洋画吹き替え初挑戦

 シリーズ最新作『X-MEN:アポカリプス』でミュータントの始祖にして、史上最強の神・アポカリプスの日本語吹き替え声優を、俳優の松平健が務めることが明らかになった。洋画吹き替え初挑戦となる松平は、「何しろ初挑戦なので、全力で努めたい」と意気込んだ。 
 最古最強の“神”という悪役を担当することになった松平は、「自分の中では世界各国が核開発を進め、互いにけん制しあい間違った方向へ進んでいる人間社会を滅ぼすというアポカリプスの中での正義という気持ちです。ただそれが人間やミュータントと対立しあう結果につながるわけですが、大いに暴れたいと思います」と現代社会になぞらえて役どころを解釈し、やる気十分。
マツケンがアポカリプス!「上様が神様に!」と暴れん坊将軍クラスタが騒ぎ「おもしれえじゃねえか」と暴れん坊力士クラスタが喝采を上げる事態になりました。僕もその1人でした。

これを見た当初は『デッドプール』でタレント吹替しなかった20世紀フォックスがこれのために力(ギャラ)を貯めていたのか!という感想を抱く程度のニュースでした。

しかしこのわずか3日後にこのニュースが流れたのです。

松本幸四郎、『ジャングル・ブック』で吹き替え初挑戦!黒ヒョウ役で主人公導く


俳優の松本幸四郎(73)が、ディズニー最新の実写映画『ジャングル・ブック』で、主人公を導く黒ヒョウ・バギーラ役で洋画の吹き替えに初挑戦していることが明らかになった。松本は、声の演技を「非常に難しかった」と振り返りつつ、「役者にとってこれは必要なことと感じました」と語っている。 
歌舞伎界を代表する俳優として60年以上活躍する松本は、今回、実写声優に初めて臨んだ。『アナと雪の女王』でエルサの声を演じた娘の松たか子からは、「ディズニー作品の吹き替えは大変よ」と聞いていたといい、実際にアフレコを経験し「非常に難しかったですが、役者にとってこれは必要なことと感じました。中学生の頃ラジオドラマをやっていたのですが、役者としての原点であるその経験が活かされました」としみじみ振り返る。 
 また、黒ヒョウ役については「中学校の頃には『黒ヒョウ』という愛称で呼ばれていたということもあり、驚きはしたが、違和感なく受け入れられました」と明かす。さらに、「バギーラ自身も、後半は年老いて傷ついて、老いたる黒ヒョウになっていく。そういうところがとっても悲しいのだけれども、何か、やっぱり命っていいものだなと感じました」と思いを語り、「今回、バギーラの声と作品中のナレーションも務めさせていただき、大変難しかったですが、心に残る素晴らしいいい仕事をさせてもらいました」とメッセージを寄せている。
松本幸四郎が中学生時代に黒ヒョウと呼ばれていたというエピソードも中々アツいですが俳優生活60年で実写声優は初挑戦という話も驚きです。


いやいやそんなことより、

大御所俳優の吹替多くね?

えなにもしかして流行ってんの?


ということで調べてみました。検索ワードは「吹替 初挑戦」「(大御所俳優名) 吹替」です。

『なぜ生きる-蓮如上人と吉崎炎上-』里見浩太朗インタビュー


浄土真宗の開祖、親鸞聖人の教えを広めた蓮如上人と、その弟子たちとの物語を描くアニメーション映画『なぜ生きる』が公開される。原作はベストセラー書籍「なぜ生きる」で、蓮如上人の声をあてたのは『長七郎江戸日記』『水戸黄門』など多くの代表作を持つベテラン、里見浩太朗だ。 
キャリア60年を迎えた里見だが、意外なことにアニメ声優はこれが初。本作への思いはもちろん、里見とは切っても切れない時代劇の魅力、『リーガル・ハイ』で人気を博した“服部さん”についても直撃。「常にデビューですよ」とほほ笑む姿からは、あくなき探究心が伝わってきた。
なんとこちらもキャリア60年でアニメ声優初挑戦!何が黄門様を突き動かしたのか!?ブーム?ブームのあおりか?


津川雅彦、75歳で初カンヌへ!アニメ映画版「星の王子さま」声優が発表


映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』の日本語吹き替え版主要キャストに、鈴木梨央(10)、瀬戸朝香(38)、津川雅彦(75)が決定したことがわかった。三人は、同作のワールドプレミアが行われる第68回カンヌ国際映画祭にも参加する。津川を含めて三人とも、海外の映画祭に出席するのは初めて。津川は「海外映画祭はカンヌに限らず75歳にして初めて! これ王子さまのプレゼントかも?」と喜びを明かしている。

芸歴が長い津川雅彦も映画祭出席はこれが初めてとは。長生きはしてみるものなのかもしれません。


西田敏行が世渡り上手で陽気なクマに!「ジャングル・ブック」吹き替えで歌声披露


俳優の西田敏行が、ウォルト・ディズニーの「ジャングル・ブック」で初めて実写映画の日本語吹き替えに挑戦していることがわかった。主人公の少年モーグリの1番の友人で陽気なクマのバルーの声を担当し、劇中で歌声も披露する。 
西田は、バルーを「掟が厳しいジャングルのなかでも割と自由に、ときどきはみ出しながらもゆるーく守り生きている世渡り上手で憎めないクマ」「モーグリにとって、一緒に肩を組んで歌でも歌いながら仲良く歩いてくれるいい友だち」と分析。さらに「バルーはもう、ほとんど俺ですね」「バルーを演じるということは、西田敏行を演じればいいんだ、という楽な気持ちでやりました!」とキャラクターと自らを重ね、仕上がりに自信をのぞかせている。
先ほど取り上げた松本幸四郎も参加する『ジャングル・ブック』に西田敏行も参戦!
これはやはり吹替版で見なければ!!


“元Folder 5”満島ひかりが「ONE PIECE」劇場版に!濱田岳、菜々緒、北大路欣也ら豪華声優陣


満島ひかり、濱田岳、菜々緒、北大路欣也が、尾田栄一郎による人気コミックの劇場アニメ最新作『ONE PIECE FILM GOLD』に声優として出演することが明らかになった。アニメ声優初挑戦となる満島は、Folder 5 としてテレビアニメ版の2代目主題歌「Believe」を歌ったことがあり、再び同作に関われることの喜びを語っている。 
(中略)さらに、伝説のギャンブラー、レイズ・マックスの声を北大路が担当する。北大路は自身が務めるオリジナルキャラクターの演じ方について、楽しみに策を練っているとのことだ。
今の若い人は北大路欣也はむしろ吹替の人という印象かもしれませんが…


八代亜紀が本人役で「ファインディング・ドリー」出演、初登場シーン公開


「ファインディング・ドリー」の日本版エンディングテーマ「アンフォゲッタブル」を歌う八代亜紀が、本人役で声の出演をしていることがわかった。このたび八代の初登場シーンがYouTubeにて公開された。 
八代の役どころは海洋生物研究所でアナウンス役を務める女性。公開された映像には「こんにちは。八代亜紀です」と名乗る女性の声に、海の中で迷子になったドリーが「ああ、どうも、八代さん。助けてもらえない?」と返すシーンが収められた。本作では各国の著名人が本人役として同役を演じており、字幕版では「エイリアン」のシガニー・ウィーバーが起用されている。 
八代はアフレコの苦労について「監督に『八代亜紀の“声”のまま淡々とした感じで』と言われたんです。歌ではずっと抑揚をつけるということを何十年もしていますから、抑揚がいらないと言われてとても難しかったですね」と明かしている。
ナット・キング・コールの「アンフォゲッタブル」を最近ジャズアルバムで人気の八代亜紀に歌わせるという話までは理解してましたがまさか本人役で声優初挑戦とは誰が予想したでしょうか。あとこれは本筋と関係ありませんが最近のシガニー・ウィーバーはチョイ役出演が好きすぎ!


しかし…なんか多いなおい!今挙げた5つの例はだいたい1年以内のニュースです。
なぜここに来て急に増えたのか。理由を自分なりに考えてみました。

①老声優さんが少ない説
悲しい話なのですが一般的に声優さんといえばなぜか短命という通説があります。ここ数年でも多くの名声優さんが亡くなりました。しかし大御所俳優さんが演じているキャラクターを見るとどうしても老人演技でなければならないという感じはありません。あとおじさま声優はみなさん現役で異様に元気です。

参考:おじさま声優たちが、見た目と声と実年齢が合わなさ過ぎる化け物


②活躍の場を広げる説
昔に比べて大御所俳優さんの活躍するような時代劇や重厚なドラマは少なくなりました。そのため活躍の場を広げるという意味で吹替に初挑戦したりしてるのかもしれません。しかし大御所俳優さんはギャラも極めて大御所なため、「この映画の吹替やりたいね」と言って簡単に出れるとは思えません。確実なソースが見つからなかったのですが、『龍が如く』シリーズに渡哲也を呼んだ時は家一つぐらい買えるギャラだったという話を読んだことがあります。


③話題性先行説
色々言ってきましたがこれが真相だと思います。例えば「あの有名声優が吹替!」というニュースよりも「あの大御所俳優が吹替!」というニュースの方が取り扱う媒体も誌面の規模も段違いです。また、子ども向け映画の場合、実際に子どもたちを劇場に連れて行くのは親御さんや祖父母という特性を活かして、むしろそういう層に訴求力がある大御所俳優を使った方が宣伝として効果があるということなのかもしれません。

あとこれは想像ですが、広告代理店が例の北大路欣也に犬の吹替をやらせたCMが世間的にウケていると思っているのでは…と考えています。実際にCM好感度でも常に1、2位にランク入りするCMですので「世間が大御所俳優吹替を求めている」というリサーチ結果に至ったとして不思議ではありません。もしかすると大御所吹替ブームは我々一般大衆があのCMに喜んだせいで引き起こしたブームなのかもしれません。


大御所俳優さんが年老いてもなお新しいことに挑戦する姿は本当に素晴らしいと思います。実際に声優演技を聞いてみるとものすごく上手なこともあります。ただ、それを発揮するのは別の場所でもいいんですよ、と思ってしまうこともあります。特に大御所ともなると知名度が極めて高いため、映画を見ている間にその俳優さんの顔がちらついてしまうことがあります。その方が映画を多角的に楽しめるという意見もありますが、そんな楽しみ方より物語世界に没入したいという映画ファンが多いと思います。

大御所吹替ブームについて色々考えてみましたが、個人的にはX-MENを見ている間に八代将軍徳川吉宗の顔がちらつく現象はメチャクチャ面白いので楽しみです。もしかすると普段映画を見ない普通の人たちもそんな感じで大御所吹替を楽しんでいるのかもしれませんね。